関の氏神 亀山八幡宮
人生儀礼

人生儀礼

 人生儀礼とは通過儀礼とも呼ばれ、生まれてから死ぬまでの間ある段階ごとに行われる儀礼のことです。
 これには、誕生・成年・結婚・厄年、還暦・(米寿などの年祝いなどの)算賀(さんが)・葬儀など家庭生活上の儀礼と、入園式・入学式・入団式など社会生活上の儀礼があります。

帯祝いと安産祈願

 子宝に恵まれたことを神様に感謝し、妊娠5ヶ月目の戌(いぬ)の日に帯祝い(着帯の祝い)をします。
 戌の日が選ばれるのは、犬の安産にあやかるためといわれ、妊婦は赤ちゃんが岩のように丈夫に育ちますようにとの意味の込められた「岩田帯(いわたおび)」をしめます。そして母体の安全と赤ちゃんが無事に生まれることを願って安産祈願をします。

お七夜(しちや)と命名

 赤ちゃんの名前は誕生後七日目のお七夜に付けるのが習わしで、昔は誕生しても必ず無事に育つとは限らないことが多かったために、お七夜は赤ちゃんの無事な成長を確かめる大切な節目でした。
 子供が名付けられると、それを半紙に書いて神棚に貼るのは、名前を報告してその家の名の継続を守護していただくという意味があります。

初宮詣

 赤ちゃんが初めて神社にお参りして、無事に誕生したことに感謝し、これからも健やかに成長することを祈ります。
 多くの場合赤ちゃんは母方から贈られた晴れ着を着て、おばあちゃんに抱かれ両親とともにお参りします。
 男子は生後100日、女子は110日にお参りするのがこの地方の風習で、百日(ももか)参りとも呼ばれます。
 お宮参りは赤ちゃんを氏神さまの氏子として認めていただく意味もあります。

お食初(くいぞ)め

 生後100日目頃に大人と同じ食膳を用意して赤ちゃんに食べるまねをさせます。これには赤ちゃんが一生幸福に育ち、食べるものに困らないようにとの親の願いが込められています。

初節句

 3月3日を女児の節句、5月5日を男児の節句として祝いますが、生後初めて迎える節句を「初節句」といいます。初節句には縁起物を贈答するなどして赤ちゃんの健やかな成長を祝います。

七五三

 11月15日に数え年で、3歳と5歳の男児、3歳と7歳の女児が晴れ着を着て親子そろって氏神様にお参りし、子供の成長を神様に感謝しこれからの無事を祈ります。
 これは、3才の男女児がこの日を境に髪を伸ばし始めた「髪置き(かみおき)のお祝い」、5才の男児がこの日から袴を着け始めた「袴着(はかまぎ)のお祝い」、7才の女児が帯でしめる着物にかえた「帯ときのお祝い」といった古くからの風習に由来するものです。
 つまり形式的にではありますが、七五三を終えて晴れて一人前として扱われるようになったのです。
 子供が生まれてから7歳になるまでの間に、数多くの祝い事が行われるのは、昔から「7歳までは神の子」として神と人との世界の両方にまたがっていると考えられていたからです。

入学・卒業・就職の奉告

 成長に合わせた人生儀礼の他に、生活環境が変わる時も人生の大きな節目であり、その節目に神社にお参りしてご加護をいただき無事に過ごせるよう祈念します。

成人式

 男女ともに一人前の人間になったことを公認される成人式の日に、20歳になった男女が氏神様にお参りして無事に大人の仲間入りができたことを奉告し祝います。

神前結婚式

 結婚は数ある人生儀礼の中でも、最も晴れやかな節目です。神様のご神縁によって結ばれた二人が、神様の前で苦楽を共にして明るく楽しい家庭を築き、子孫の繁栄をはかることを誓い合います。

結婚記念日

 夫婦ともども健康で仲睦まじく過ごせたことを神様に感謝し、心新たにこれからも二人で力を合わせ良い家庭を築いてゆくことを誓いお祝いする機会です。
 結婚記念日を祝う習慣は元来西洋のもので、我が国では明治27年3月9日に明治天皇が、大正14年5月10日に大正天皇が、それぞれご成婚25年をお祝いになられ、昭和49年昭和天皇がご成婚50年をお祝いになられ、しだいに民間でもならってお祝いするようになりました。

この記念日には年数によって名称がつけられています
紙婚式 満1年 木婚式 満5年
錫婚式 満10年 銅婚式 満15年
陶器婚式 満20年 銀婚式 満25年
真珠婚式 満30年 金婚式 満50年
金剛石婚式 満75年

厄年

 厄年とは、災難や障りが身に降りかかりやすい年のこと。この年を迎えると神様のご加護をいただいて災厄が身に降りかからぬよう厄払いをします。
 数えで男性は25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳・61歳が厄年にあたり、その前後を前厄・後厄といいます。
 中でも男性の42歳、女性の33歳は大厄といわれます。42歳をシニ、33歳をサンザンなどというのは、語呂合せのようですが、この年齢が肉体的にも精神的にも大きく変化するので、人生の折り目に、神さまのお力によって厄を取り除く儀式を行うものと考えられます。

還暦(かんれき)61歳

 十干(じっかん)【甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)】と、十二支(じゅうにし)【子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥】の組み合わせは60通りあり、自分が生まれた年と同じ干支(えと)がまわってくるのはちょうど61年後になります。
 干支が一巡して元に戻るというので、生まれ直すという意味から赤い頭巾やチャンチャンコが贈られます。

年祝い

古稀(コキ) 70歳

中国詩人杜甫(とほ)の詩「人生七十古来稀(まれ)なり」という言葉からつけられました。

喜寿(キジュ) 77歳

喜の略字が七・十・七と分解されることからつけられました。

傘寿(サンジュ) 80歳

傘の略字が八・十に分解できることからつけられました。

半寿(ハンジュ) 81歳

半という字が八・十・一に分解できることからつけられました。

米寿(ベイジュ) 88歳

米という字が八・十・八に分解できることからつけられました。

卒寿(ソツジュ) 90歳

卒の俗字「卆」が九・十に分解できることからつけられました。

白寿(ハクジュ) 99歳

百の字から一をとると白という字になることからつけられました。

上寿(ジョウジュ) 100歳

60歳の下寿、80歳の中寿に対するもの。

茶寿(チャジュ) 108歳

茶の字は十が二つと八十八とに分解され合計が108となることからつけられました。

皇寿(コウジュ) 111歳

皇の字が白と王に分解され、白が99、王が(分解すると)十二ということで合計111となることからつけられました。

神葬祭(しんそうさい)

 神道式で行われるお葬式のことを「神葬祭」といいます。

 神道式でのお葬式を考えられている方は
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 神葬祭は、神職を通じて氏神様に亡くなったことを奉告する「帰幽奉告(きゆうほうこく)の儀」から始まります。
 一般的に、通夜(つや)といわれるものを通夜祭(つやさい)といい「遷霊祭(せんれいさい)」を行い、亡くなられた方の御霊(みたま)を霊璽(れいじ)−仏式の位牌−といわれる白木の「みしるし」に遷します。
霊璽には零号(れいごう)−仏式では戒名−が記され、生前の名前の下に男性は「命(みこと)」「大人命(うしみこと)」と、女性は「刀自命(とじみこと)」「姫(ひめ)」とつけられ、仮御霊舎(かりみたまや)に安置されます。
 翌日、告別式にあたる「葬場祭(そうじょうさい)」が行われ、次の日には「翌日祭」、以後、十日ごとに十日・二十日・三十日・五十日祭、それから百日祭が行われ、百日祭までを「霊祭(れいさい)」といい、一般的には五十日祭をもって忌明(きあ)け−喪に服する期間を終えること−とされ、それまで遠慮してきた神棚のおまつりもこの時から始めます。
 五十日祭が終ると御霊舎(みたまや・仏式の仏壇)におまつりします。
 霊祭のあとは年祭(ねんさい)を行い、亡くなられてから満一年目に一年祭を、以後二年・三年・五年・十年祭を行い、その後は十年ごとに行います。
 命日には、御霊舎から霊璽を取り出し、故人の好物をお供えしておまつりをします。遺族や親類縁者が、互いに睦まじく元気で過ごしている姿を奉告するとともに、いつも守っていただいていることに感謝します。
 こうして、子孫の手厚いおまつりが続けられ、五十年が経つと「祭り上げ」といって亡くなられた方の霊は清められ神と祖先のもとに帰ると言われています。


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